[1] カリキュラムガイドについて

学生一人ひとりの理想があり、スタイルがある
個性的なエンジニアを目指して

 いうまでもなく学生一人ひとりは、別の人格を持っています。したがって、画一的に学習することには無理があります。それぞれの専門分野で広い知識や教養を追いかける、一点突破主義で深く深く専門領域を追究する、理論より実践?実験、さらに創作の現場というようにものづくりにのめり込む……。どんな目標でもいいので、自らがテーマを決めて最後までやり遂げるということが大切です。
 1つのテーマをクリアすれば、いつの間にかまた新たなテーマが自分の中に生まれる。この自学自習の繰り返しが、素晴らしいエンジニアになることを実現します。

人間性豊かなエンジニアを目指して

 本学の教育では人間形成を重視しています。このため、全学生必修となっている「修学基礎A/B」、「技術者と持続可能社会」、「科学技術者倫理」、「日本学(日本と日本人)A/B」、「人間と自然」などの人間力を涵養するための科目、また生涯にわたる学習スタイルを修得する「生涯学習」、「生涯スポーツ」などを配置しています。
 人間形成という自分づくりを進めながら、技術者としての基礎を学び、最終的に専門科目の学修を通して、自分のプロジェクトデザインⅢの活動目標を定めていきます。皆さん一人ひとりが人間性豊かなエンジニアになることを期待します。

学習プランは自分が作る
カリキュラムガイド活用法

 このカリキュラムガイドは「自ら考え行動する技術者」を育成するために必要な「基礎教育」と「専門教育」における各学科の教育目標と、その目標を達成するために必要な授業科目をわかりやすく説明しています。
「自分は何に興味があり、どんな夢をもっているのか……?」
「その夢を実現するために何を学習するのか?」
「それを学習するためにはどう計画し、どう行動するのか?」
 このカリキュラムガイドを活用して、学習プランを立ててください。

系統的なカリキュラム

 本学では、各学科が掲げる教育目標を明示するとともに、その目標達成のために必要な授業科目を系統的に配置し、その関連性を明示しています。その点を十分に理解し、カリキュラムフローに沿ってしっかりと学習を進める必要があります。そして、学部教育の集大成として位置づけられているプロジェクトデザインⅢの活動に繋がる学習プランをしっかりと確認してください。

●皆さんの学習プラン作成をアドバイスするために、各クラスには修学アドバイザーがいます。
オフィスアワーの時間を利用して、積極的に相談してください。

自分のテーマを発見し、考え、解決する
自学自習が基本です

 自学自習を基本とする理由は、アクティビティ(活動)とクリエイティビティ(創造性)を大切にしているからです。創造性は、どうしたら身につくものなのか……。もちろんこの問いかけに対する正答はありません。しかし、自分が得た知識を知恵として変換することが必要です。
 自分の興味を探し出し、そのテーマに向けて自らが積極的に学習する。本学はそれを万全の体制でバックアップします。

学び、考え、行動する学生になる

 知識や技術は、持っているだけでは役に立ちません。何に、どう使うか、どうやって実現するか……ということを身につけておくことが必要です。技術者として、何が本当に大切なものなのか?それは、問題を発見し、モノやシステムを生み出し、解決していくという“創造的な能力”であると考えています。

能力の統合化について

 今エンジニアに求められているのは、ある知識や技術を違うフィールドで生かしたり、まったく違う分野の知識や技術を結びつけることのできる能力です。つまり、基本的な知識や技術を有機的に組み合わせて統合化する能力です。「能力の統合化」、これは創造的なエンジニアになるための学習のキーワードです。
 広い視野から問題点を探る。多くの人々の意見や知恵を理解し、コミュニケーションの中から、また直感の中から、ベストな解答を見つけ出す。そして問題の解決に向けて行動を起こす。そんな創造的なエンジニアとなってください。

科目群の学習?教育目標について

 各学科ページの上部にある「卒業の認定に関する方針」では、アルファベット記号(学科ページ:図1)が記されています。これ は、科目ごとの学習支援計画書(シラバス:図2)における「学科教育目標」に関連付けられています。

 詳しい説明は、以下WEBサイト(教育目標)を確認してください。
/kyoiku/mokuhyo/

図1:学科ページの一部(例:機械工学科)
図2:シラバスの一部(例:修学基礎A)

卒業要件(学部:2023年度入学生)

本学学部を卒業するためには、次の事項をすべて満たしていなければなりません。

  1. 卒業に必要な最低単位数(124単位)を修得していること(修学規程第12条別表第5)。
    すべての必修科目を含め、各科群ごとに必要とされる単位数を修得していること
  2. 4年以上在学していること(学則第5条、第25条)。
  3. 「人間と自然」を履修し、合格していること(学則第25条)。
卒業するために修得するべき単位

 卒業するために必要な最低単位数は124単位ですが、必ず修得しなければならない科目(必修科目)や、各科目群から修得するべき最低単位数など、細かい決まりがあります。
 卒業に必要な最低単位数は、
(1) 各科目群から最低限修得すべき単位(合計112単位)
(2) どの科目群からも自由に選択できる科目(リベラルアーツ系科目)の修得単位(合計12単位以上)
の2つに分かれます。

表1 卒業に必要な最低単位数(科目群ごと)

課程区分 科目区分 科目群 必修 選択 合計
修学基礎教育課程 修学基礎科目 修学基礎 4 0 4 各科目群から最低限修得すべき単位
(合計112単位)
人間形成基礎科目 人間形成基礎 7 0 7
生涯スポーツ 2 0 2
人間と自然 - - -
英語教育課程 英語科目 英語 0 8 8
数理?データサイエンス?AI教育課程 数理基礎科目 数理基礎 9 2 11
プロジェクトデザイン基礎教育課程 基礎プロジェクト科目 基礎プロジェクト 10 0 10
専門教育課程 専門科目 専門 学科別 60
専門プロジェクト科目 専門プロジェクト 10 0 10
(全課程から提供) リベラルアーツ系科目 文理横断 10 12 12 リベラルアーツ系科目
専門探究
合計 学科別 124

(1)各科目群から最低限修得すべき単位
表1において、で示した部分(修学基礎教育課程、英語教育課程、???、専門教育課程)は、各科目群から必ず修得すべき単位数を示しています(ただし、専門教育課程における卒業に必要な最低単位数は、所属する学科の授業科目の履修によって修得しなければなりません。他学科の専門教育課程の授業科目の単位は後述のリベラルアーツ系科目の単位として数えます。)。必修科目は必ず修得しなければならない科目です。選択科目は、希望により履修する科目で単位修得は義務づけられていませんが、各科目群で定められた単位数を最低限修得する必要があります。各科目群における具体的な必修科目?選択科目については、教育課程表やカリキュラムフローを参照してください。すべての科目群から最低限必要な単位(必修科目および選択科目の単位)を修得すると、合計が112単位となります。

(2)リベラルアーツ系科目の修得単位
卒業に必要な単位数124単位のうち、上記の112単位以外は、どの科目群からも自由に選択できます。本学では、人文?社会科学から自然科学までの教養基礎を文理横断的に学ぶことに加え、異分野の専門科目や自分野の専門科目を深く学ぶことを「リベラルアーツ教育」として推奨しており、この自由選択科目(12単位以上)を、各自の志向により、「より広く」「より深く」学ぶ科目として「リベラルアーツ系科目」と呼びます。リベラルアーツ系科目には、文理横断というタイプの科目(人文?社会科学から自然科学までの教養基礎を文理横断的に学ぶもの)と、専門探究というタイプの科目(異分野の専門科目や自分野の専門科目を深く学ぶもの)の2種類があります。各学生は、この2種類の中から自由に組み合わせて合計12単位以上の単位を修得する必要があります。

(2A) 文理横断
 表Aは、リベラルアーツ系科目(文理横断)として用意されている科目です。どの科目も全学生を対象に開講されている自由選択科目です。ここで、「生涯学習特別科目」「外国語特別科目」など「○○特別科目」という名称のものは、固定されている科目ではなく、「生涯学習特別科目(株式と経済)」「専門教養特別科目(教養としての半導体技術入門)」などのように、学期ごとに様々な科目がラインアップされます。また、科目によって開講時期が異なりますし、人数制限や履修の制限がついている科目もあります。学期ごとに発行される「履修申請の手引き」を参照にして科目選択をしてください。

表A リベラルアーツ系科目(文理横断)として用意されている科目

分野 科目名
人文社会 日本文学の世界、人間と哲学、法と社会、経済と社会、こころのはたらき、グローバル社会(ヨーロッパ)、グローバル社会(アジア)、芸術へのアプローチ、科学技術と社会、技術者のためのコミュニケーション、企業の組織と戦略、日本国憲法、韓国語入門、国際関係論、危機管理論、指定放送大学科目、生涯学習特別科目
外国語教養 外国語特別科目
数理?情報 AIプログラミング入門、AI応用Ⅰ、AI応用Ⅱ、ビジネスデータサイエンス、データサイエンス応用、数理特別科目
技術統合 IoT基礎、IoTプロトタイピング、IoTプログラミング入門、ドローンプログラミング、IoT応用、ロボティクス基礎、情報ネットワーク基礎、ネットワークセキュリティ、プロジェクトデザイン特別科目
専門教養 専門教養特別科目
国際教養理工学 グローバルPD、未来学、コンセプチュアル思考、感性とデザイン、サステナブルイノベーション、科学技術と人?社会、国際教養理工学特別科目

(2B) 専門探究
 リベラルアーツ系科目(専門探究)については、特に独自に科目が用意されているわけではなく、表1の科目群に属する科目を卒業に必要な最低単位数を超えて履修するものです。表1の中で、英語科目、数理基礎科目、各学科の専門科目には、たくさんの選択科目が用意されています。それらの選択科目を表1に掲げる必要単位数を超えて履修した場合、その修得単位をリベラルアーツ系科目(専門探求)の修得単位と扱います。例えば、英語科目を10単位修得した場合、卒業に最低限必要な8単位を超えた2単位分はリベラルアーツ系科目(専門探究)の修得単位として扱います。また、所属学科の専門科目を60単位を超えて単位修得した場合、超過分の単位はリベラルアーツ系科目(専門探究)の修得単位として扱います。そして、所属学科とは異なる学科の専門科目を履修(他学科履修)した場合、その修得単位はすべてリベラルアーツ系科目(専門探究)の修得単位として扱います。これらの単位は、大学が標準的に修得を要求している単位数を超えて修得したものですので、リベラルアーツ系科目の中の「異分野の専門科目や自分野の専門科目を深く学ぶ」タイプの学修と見なせるわけです。表Bには、リベラルアーツ系科目(専門探究)として、単位修得し得る科目のカテゴリーをまとめてあります。

表B リベラルアーツ系科目(専門探究)の単位修得と見なせるもの

課程区分 科目区分 リベラルアーツ系科目として扱う単位数
英語教育課程 英語科目 卒業に必要な最低単位数8単位を超えて修得した単位数
数理?DS?AI教育課程 数理基礎科目 卒業に必要な最低単位数11単位を超えて修得した単位数
専門教育課程(自学科) 専門科目 卒業に必要な最低単位数60単位を超えて修得した単位数
専門教育課程(他学科) 専門科目 他学科履修で修得したすべての単位数