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金沢工業大学

平成29年度私立大学研究ブランディング事業選定

これからの科学技術者倫理研究 ~社会が必要とする課題への取り組み~

実施計画

Implementation Plan

平成29年度

目標:事業の実施準備と運用体制の整備

本事業の中心的な組織である「科学技術応用倫理研究所」にて、4つの課題に関する研究活動を早々に開始する。またブランディング戦略についても、ステイクホルダーに対する具体的な発信内容?手段の詳細について検討を進める。また、研究活動及びブランディング戦略に関する推進委員会を発足しPDCAサイクルを含めた体制の整備を進める。

  • 企業との研究会の発足、専門雑誌等での成果発表:1
  • ホームページ掲載、パンフレット作成、自己点検評価?外部評価の実施

研究活動計画

  1. グローバル社会における科学技術者倫理に関する研究
    マレーシア工科大学?マレーシア日本国際工科院の研究者等との交流で得た知見や、本学とシンガポール理工学院、ムハマディア大学ジョグジャカルタ校との現地交流活動(ラーニングエクスプレス)の際のアンケート調査を通じて、「アジア的」「イスラム的」な社会的文脈において考慮すべき価値観を分析するために必要な基礎データの収集を行う。
  2. 経営倫理と技術者倫理の統合に関する研究
    北陸地域の企業や、経理倫理実践研究センター(BERC)から紹介を受けた企業を対象に、経営倫理?技術者倫理に関する実践状況調査を行う。把握した状況を基にテーマ別研究会の詳細な研究内容をBERCや日本経理倫理学会等の協力を得ながら検討する。
  3. 工学教育での科学技術者倫理教育に関する研究
    これまで取り組んできた本学カリキュラムに導入されている、マイクロインサーションによる科学技術者倫理教育の状況確認を行い、実社会に結び付いた教育として、プロジェクトデザイン教育や専門科目等へのマイクロインサーションを用いた教育手法の展開について検討する。
  4. 科学史/技術史に基づく科学技術者倫理教育に関する研究
    歴史分析を通じて科学技術者倫理に関する様々な重要概念を再検討する。特に「戦前および終戦直後のの電気工学教育の日米比較と大学電気教官協議会の発足」をテーマとした研究を進め、産学連携や軍事研究(軍学協同)などの科学技術者倫理に関わるテーマに取り組む。また、19世紀後半から20世紀初頭のイギリスのエネルギー論の歴史研究も進め、研究成果を雑誌に投稿する。

ブランディング戦略

  • 科学技術者倫理研究推進委員会(仮称)を発足し、ステイクホルダーに対する本学のブランドを発信?訴求するための具体的方法の基本方針を検討する。
  • ホームページへの掲載:本学ホームページに掲載するとともに、特設サイト開設の検討を行う。
  • パンフレットの作成:本学のブランドを広めるためのパンフレットを新たに作成する。
  • 評価委員会開催(3月下旬~5月)
  • 研究所主催のシンポジウム開催:事業活動を学内外に紹介する。

平成30年度

目標:研究活動の実施とブランディング発信の開始

課題研究を継続実施して前進させるとともに、企業等にも参加を呼びかけて前年度に立ち上げた研究会の活動を開始するなど、産学協同での活動も推し進めていく。ブランディング戦略活動面では、高校教員等ステイクホルダーへのパンフレット配布、特設サイトの開設、PR用冊子の検討などを進める。

  • 専門雑誌等での成果発表:累計3件、研究会開催:累計4回
  • 特設WEBサイト開設、PR用冊子の検討
  • 自己点検評価?外部評価の実施

研究活動計画

  1. グローバル社会における科学技術者倫理に関する研究
    前年度に得られた基礎データを分析し、「アジア的」「イスラム的」価値観に基づいて行われる倫理的意思決定における共通点?相違点を明確化するためのアンケートシステムを構築し、有効性の検証と運用に向けた準備を行う。
  2. 経営倫理と技術者倫理の統合に関する研究
    新たに発足した研究会について、北陸地域での活動を開始する。本研究テーマの活動プラットフォームとして、会に所属する企業等が全て参加する「経営と技術者の倫理統合研究会」(仮称)を設置する。
  3. 工学教育での科学技術者倫理教育に関する研究
    マイクロインサーションの開発者が所属するイリノイ工科大学の事例調査等を行い、グッドプラクティスを抽出して今後の展開の手引きとする。またEthics Across the Curriculumの有効性の測定に関し、他大学の事例を調査する。
  4. 科学史/技術史に基づく科学技術者倫理教育に関する研究
    平成29年度に開始した歴史的科学技術者倫理研究の調査?分析とアーカイブをベースとしたSTEM教材の開発を進める。また、電気と社会との関係についての歴史的分析を新しい観点から進める。

ブランディング戦略

  • 特設WEBサイトを開設する。また、PR用冊子の作成を検討する。
  • 高校教員等、ステイクホルダーへのパンフレット配布を全国を対象として実施する。
  • 評価委員会開催(3月下旬~5月):年度中の成果を取り纏め、研究支援機構運営委員会による内部評価及び外部評価を受ける。

平成31年度

目標:研究活動とブランディング発信の継続及び中間点検の実施

課題研究を引き続き行い、前進させる。教材パッケージの試行、シンポジウムの開催などの企画や学会等での成果発表に向けた準備などを行うとともに、研究の進捗状況、成果の発信状況についての中間点検を行う。ブランディング戦略においては、高校教員等ステークホルダーへの広報活動の継続的な実施、PR用冊子の作成等を行っていく。

  • 専門雑誌等での成果発表:累計6件、研究会開催:累計10回
  • PR用冊子の作成、 自己点検評価?外部評価の実施

研究活動計画

  1. グローバル社会における科学技術者倫理に関する研究
    前年度に構築したアンケートシステムを運用し、海外提携校の協力を得ながら、「アジア的」「イスラム的」価値観、およびそれらの価値観に基づく倫理的意思決定に見られる共通点?相違点を明らかにする。結果を基に「グローバル社会における科学技術者倫理」教材に必要な要素を特定し、教材パッケージを試作?試行して有用性の検証を行う。
  2. 経営倫理と技術者倫理の統合に関する研究
    研究会の開催回数を増やし活動を加速させる。また、研究会活動の効果測定のための調査を実施し、調査結果の協力機関と共有し、シンポジウムの開催等を通じて公表する。
  3. 工学教育での科学技術者倫理教育に関する研究
    マイクロインサーションを含めたEthics Across the Curriculum(EAC)の有効性など、本学における科学技術倫理の取扱いに関する有効性を検討し、成果を収めている点や改善が必要な点を明確にする。また改善が必要な点についての改善策を検討する。
  4. 科学史/技術史に基づく科学技術者倫理教育に関する研究
    歴史的科学技術者倫理研究についての分析結果をまとめ、論文発表等の準備を進める。また電気社会論については講義などの手段を通じて学ぶところが多く、社会的に受け入れやすいものとなるよう構成の検討を進める。アーカイブベースSTEM教材の活用と検証を行う。

ブランディング戦略

  • PR用冊子を作成する。
  • 高校教員等、ステイクホルダーへのパンフレット配布を全国を対象として継続実施する。
  • 評価委員会開催(3月下旬~5月):年度中の成果を取り纏め、研究支援機構運営委員会による内部評価及び外部評価を受ける。
  • ブランディング事業の中間報告会を開催する。

平成32年度

目標:研究活動とブランディング発信の継続と調整

課題研究を継続して推し進め、成果を発信するべく活動を展開する。教材パッケージの開発や研究会での研究成果のとりまとめに着手し、教育手法の検討を前進させていく。ブランディング戦略においては、自己点検評価や外部評価での評価を踏まえた事業活動の見直しを行う。

  • 専門雑誌等での成果発表:累計9件、研究会開催:累計16回
  • 自己点検評価?外部評価の実施

研究活動計画

  1. グローバル社会における科学技術者倫理に関する研究
    前年度の試行から得られた知見を踏まえて「グローバル社会における技術者倫理」教材パッケージを完成させる。完成した教材はホームページで公開するほか、海外提携校に配布する。更に、先に開発したアンケートシステムの運用から得られる「アジア的」「イスラム的」価値観に関する最新データの分析結果を基に、教材パッケージの重要なコンテンツであるケース?メソッド型の事例教材の開発に着手する。
  2. 経営倫理と技術者倫理の統合に関する研究
    「経営と技術者の倫理統合研究会」について、前年度の調査を参考に見直し、登録企業のニーズに適ったテーマを設け、複数のテーマ別研究会を開設して研究を進める。
  3. 工学教育での科学技術者倫理教育に関する研究
    他大学の先行事例、例えばCDIOイニシアチブに加盟している大学がどのようにデザイン思考を工学教育で実践しているかを調査しながら、本学のカリキュラムにおいてデザイン思考と科学技術者倫理を統合して推進するやり方について検討する。
  4. 科学史/技術史に基づく科学技術者倫理教育に関する研究
    歴史的科学技術者倫理研究によって得られた知見を、学内報告?学会発表などを通じて提供する。電気社会論の関係では書籍化を目指す。また、科学技術系学協会と倫理規程との関係について歴史的分析に着手する。

ブランディング戦略

  • 評価委員会開催(3月下旬~5月):年度中の成果を取り纏め、研究支援機構運営委員会による内部評価及び外部評価を受ける

平成33年度

目標:最終評価と事業終了後の継続発展に向けた自己点検の実施

事業全体の成果をとりまとめ、自己点検評価を行う。実社会と結びついた社会が求める科学技術者倫理の在り方について、研究成果を広く社会へ発信していく。

  • 専門雑誌等での成果発表:累計12件
  • 研究会開催:累計22回
  • 自己点検評価の実施

研究活動計画

  1. グローバル社会における科学技術者倫理に関する研究
    「グローバル社会における技術者倫理」教材パッケージの継続的なアップデート可能な体制の構築と情報公開を行う。
  2. 経営倫理と技術者倫理の統合に関する研究
    テーマ別各研究会での活動報告を取り纏め、ホームページ等を通じて広く公開する。
  3. 工学教育での科学技術者倫理教育に関する研究
    これまで実践してきたマイクロインサーション等に関する調査?検討結果を踏まえ、本学のプロジェクトデザイン科目などにおいて、デザイン思考と科学技術者倫理を統合して推進する教育を検討し、実践する。
  4. 科学史/技術史に基づく科学技術者倫理教育に関する研究
    歴史的科学技術者倫理研究によって得られた知見を学会発表等を通じて広く提供する。

ブランディング戦略

  • 評価委員会開催(1月~3月):事業の最終成果を取り纏め、研究支援機構運営委員会による内部評価及び外部評価を受ける。
  • 最終成果報告会を開催する。